❏ 文字と発音の対応表

宗教曲のラテン語の発音のしかたを,標準であるイタリア式で文字ごとに説明します。  
 市販の解説書等と異なる点については「はじめに」をごらんください。  
v , f , r , l , 語末の n などの発音のコツも書いています(それぞれの文字の項をごらんください)。  
およその発音があらわせるので, カナも併用します。  
例として出した単語は主に通常文のミサ曲とレクイエムからとっています。  
太字のカナはアクセントがあるところです。  
母音を長く歌うか短く歌うかは楽譜しだいですが,ここでは例を単語だけで出しているので,単語を読むときの長さをカナで試みに書いてみました(注)。  
単語間での音のつなげ方については「単語と単語のつなげ方」もごらんください。

【注】アクセントのある母音は長めになりますが,どのぐらい長いかは開音節[母音で終わる音節]か閉音節かという音節の種類しだいで,しかも単純に長いか短いかの2つだけに分けるのはむずかしいため,試みに語末から2つめの音節が開音節の場合と開音節の1音節語だけ「ー」を入れて長くしてみました。

文字 発音
(国際音声記号とカナ)
語例 説明
a [ a ][ア]
→【発音法】
adorámus[アドラームス]
peccáta[ペッカータ]
【発音法】
実は日本語っぽさがいちばん出てしまうのがこの a。口を上下にしっかり開いて,日本語よりも少し「深め」の音色で。
i [ i ][イ] incarnátus[インカルナートゥス]
altíssspan style=“border-bottom: solid 1px black;”>imus[アルティッスィムス]
Benedíctus[ベネディクトゥス]
綴り字 y も i と同じ発音になる(例:Kyrie, hymnus, lacrymosa)。
i + 母音字
[ j ]
[ヤ・イェ・ヨ・ユ]
susイェーズス]
iusクーユス]
ただし,ミサ曲などの楽譜では j の字を使って Jesus, cujus のように書かれているのがふつう。
u [ u ][ウ]
→【発音法】
únumウーヌム]
túトゥー
【発音法】
これも日本語っぽさが出てしまうところ。日本語のふつうの[ウ]よりも唇を丸めて突き出しぎみにして言う。口笛で少し低めの音を出すときの口がまえ。
e [ ɛ ] [ e ][エ]
→【発音法】
Déoデーオ]

Dómineミネ]

glória[グリア]
【発音法】
口の開きが上下に広い e o(音声記号で [ɛ] [ɔ])と,広くない e o([e] [o])の区別がある。
イタリア人のラテン語発音では,アクセントがあるところでは一般に e o を広めにし,アクセントがない場合は広くないものを使っている。
ふつうは広めのところでも,ミサ曲で受難を歌う場面などでは広くなくなる。
広いか広くないかの違いはカタカナでは書き分けられないので,語例の欄では試みに広い方を茶色の字にしている。
ただし,これを使い分けるのはなかなか大変なので,どこまで区別するかは指導者・指揮者しだいだろう。
o [ ɔ ] [ o ][オ]
→【発音法】
ae (æ) aetérna[エルナ]
cliチェーリ]

《例外》Míchaelカエル] Israel[イズラエル]
文字 e と同じ発音。
固有名詞の Michaelと Israel は a と e を分ける。そのため Michaël, Israël とも書かれる。
oe (œ) poenitébit[ペニテービト]
cliチェーリ]
文字 e と同じ発音。
b [ b ]
[バ・ベ・ビ・ボ・ブ]
benedíctus[ベネディクトゥス]
biティービ]
bónaeボーネ]
【語末の b のつなげ方】
次が母音なら,フレーズの切れ目でないかぎり切らずにつなぐ:
ab auditióne[アウディツィオーネ]
ab haédis[アベーディス]
前置詞の ab(〜から・により)の後で切ることはない。
c 母音字 e (ae, oe) と i の前で
[ ʧ ] [チェ・チ]

それ以外は
[ k ] [カ・コ・ク]

cemパーチェム]
écceッチェ]
caeléstis[チェスティス]
coéliチェーリ]
benedícimus[ベネディチムス]

incarnátus[インカルナートゥス]
cum[クム]
Scriptúras[スクリプトゥーラス]
sánctusンクトゥス]
peccáta[ペッカータ]
ecclésiam[エックズィアム]
cスィク]
【語末の c のつなげ方】
次が母音 なら(e, i でも),フレーズの切れ目でないかぎり切らずにカ行音でつなぐ:
c easファ アス]

《個人差など》

この場合は[ファッ ケアス]と促音を入れるように言うことや,言い直す形で[ファク エアス]のように言う人もよくある。
ch [ k ]
[カ・ケ・キ・コ・ク]
chaelカエル]
Chérubimルビム]
bráchio[ブキオ]
Melchísedech[メルゼデク]
Chórusコールス]
Chríste[クステ]
brácchio[ブッキオ]
d [ d ]
[ダ・デ・ディ・ド・ドゥ]
Déoデーオ]
benedícimus[ベネディチムス]
secúndum[センドゥム]
addíctis[アッディクティス]
【語末の d のつなげ方】
・次が母音なら,フレーズの切れ目でないかぎり切らずにつなぐ:
ad occásum[アカーズム]

・次が d ならフレーズの切れ目でないかぎり促音のようにつなぐ:
ad déxteram[アクテラム]
前置詞の ad(〜に)の後で切ることはない。

《個人差など》

ad te のように次が t のときにも,atte と書いてあるかのように,つまり[アッテ]のように言う人がいる。
f [ f ]
→【発音法】

factórem[ファクトーレム]
Fíliフィーリ]
profúndo[プロンド]
offérimus[オッフェリムス]
【発音法】
日本語の「フ」と違って上の前歯の先端を下の唇のまんなかに当たるか当たらないかぐらいまで近づけて(軽く当ててもよいが,かならず隙間があくようにし,ぐっと噛んでしまわないこと),そこに強く息を吹きこんで作る摩擦の音。
日本語の「フ」は唇をすぼめて,そこに息を吹きこんだときに出る摩擦の音なので,ⓐの点が違う。
参考動画 自分の口の形を鏡などで見ながら確認するとよい。
g 母音字 e, i の前で
[ ʤ ] [ジェ・ジ]
→【発音法】
それ以外は
[ ɡ ] [ガ・ゲ・ゴ]

uninite[ウニジェニテ]
vírgineヴィルジネ]
【発音法】
[ʤ][ジェ・ジ]は特に問題になる発音ではないが念のために説明すると,舌先を上の前歯の裏側の歯茎に当て,その舌先を息で破裂させるように離して出すきつめ・・・の音。丁寧に言うときの日本語のジ・ジェはそうなる。unigenite なら[ウニッジェーニテ]に近いと考えてもよい。

égoエーゴ]
glória[グリア]
gn [ ɲ ]
[ニャ・ニェ・ニ・ニョ・ニュ]
gnamマーニャム]
magníficat[マフィカト]
ágnusアーニュス]

《個人差など》

[マニャム]などのように[ン]を入れて言う人もいる。
h 無音 Abraham[アブラアム]
hómoオーモ]
húicウーイク]
haédisエーディス]
hiミー]または[ヒ]→【注意】

【注意】

どの解説書にも mihi(私に)と nihil(何[何でも]ないこと)は [miki] (ミキ),[nikil](ニキル)と読むと書かれている。イタリアのラテン語発音でもそう読む人はいなくはないが,大勢は左のとおり(「発音の注意点(1)」のページ参照)。
これ以外でも,軽く弱い [h] の音が入ることはある。
j [ j ] [ヤ・イェ・ヨ・ユ] Jésusイェーズス]
éjusエーユス]
k [ k ] Kýrieリエ]
l [ l ]
→【発音法】
laudámus[ラウダームス]
lúmenルーメン]
sepúltus[セルトゥス]
llisッリス]

【発音法】

息が続くかぎりずっと出し続けられる音。舌先を上の前歯の裏側の歯茎にしっかり当てたまま,息を舌の両側からもらすようにして声を出す。
日本語で「ラーメン」「来年」「レンジ」「論語」などの語頭のラ行の音は,舌先を上の前歯の裏側の歯茎あたりに当ててから離すことが多いので,l に近い。ただし,本当の l にするためには舌先をすこし広たくして歯茎に広めに軽くつけ(力で押さえつけたり息を止めたりしない),時間的にも長めにつけたまま声を出し(その間,息は舌の両側からもれ出るように),舌を離すときにはゆっくり離す。
【語末の l のつなげ方】
次が母音なら,フレーズの切れ目でないかぎり切らずにつなぐ:
símul adoráturスィラートゥル]
m [ m ]
[マ・メ・ミ・モ・ム]
María[マリーア]
mineミネ]
mperンペル]→【注意】
flámmis[フンミス]→【注意】
【注意】左の例で,semper と flammis の下線部をカナで「ン」と書いている。これは,日本語の「先輩」「凡ミス」ということばはカナで書くと「セパイ」「ボミス」だが発音は sempai, bommis(u) になっていることと同じ。これをはっきり「ム」と言ってしまうと,かえっておかしい。
【語末の m のつなげ方】
次が母音か m なら,フレーズの切れ目でないかぎり切らずにつなぐ:
réquiem aetérnamクウィエ ルナム]
visibílium ómnium[ヴィズィビリウ ムニウム]
oratiónem méam[オラツィオー ーアム]
前置詞の cum(〜と)の後で切ることはない。

《個人差など》

たとえば requiem aeternam で m を長くして requiemmaeternamのように,日本語で言えば「ン」を入れて[レクウィエン メテルナム]のように言う人もいる。
n [ n ]
[ナ・ネ・ニ・ノ・ヌ]
nátumナートゥム]
omnípotens[オムポテンス]
ndiンディ]
Hosánna[オンナ]
eléison[エイソン(ヌ)→【発音法】
Ámenアーメン(ヌ)→【発音法】

 

【発音法】 Kyrie, eleison の eleison のようにそこでフレーズが終わる場合の「フレーズ末の n」は日本語の「ン」のつもりで言ってはいけない。
舌先を上の前歯の裏側の歯茎に当て,その状態のまま声を鼻に通す。そうしないと n の音がひびかない(日本語の語末の「ン」は舌を使わない)
言い終わったら舌を離すが,そのときにごくごく短いが「ヌ」のような音が出る。むしろ,最初からごく軽く「ヌ」を語末につけるつもりで「エレイソン(ヌ)」と言う方が正しい n の音になる。Amen も同じ。
【語末の n のつなげ方】
次が母音か n なら,フレーズの切れ目でないかぎり切らずにつなぐ:
in excélsis[イチェルシス]
Et in únum[エティヌム]
in nómine[イミネ]
nómen éius[ノメ ーユス]
前置詞の in(〜へ・で)の後で切ることはない。

《個人差など》

たとえば nomen eius で n を長くして nomenneiusのように, 日本語で言えば「ン」を入れて[ノメン ネーユス]のように言う人もいる。。
p [ p ]
[パ・ペ・ピ・ポ・プ]
páxクス]
pplexップレクス]
ph [ f ] prophéta[プロフェータ] f の字と同じ発音。ギリシア語からの借用語なので原語に対応する ph の綴りを残している。
qu [ kw ]
→【発音法】
quam[クム]
quem[クウェム]
qui[クウィ
quiemクウィエム]
quóniam[クウォニアム]
【発音法】
qua, que, qui, quo は発音記号で書けば [kwa] [kwe] [kwi] [kwo]。つまり,[ク・ア][ク・エ][ク・イ][ク・オ]のように2つの別の音として言うのではなく, まず唇を丸めてから,ひとつの音のまとまりとして一気に,そして核をワ,ウェ,ウィ,ウォに置く感じでワ][ウェ][ウィ][ウォ]のように言う。
r [ r ]
→【発音法】
rraルルラ]
réxクス]〜[ルルクス]
crédo[クレード]〜[クルルレード]
própter[ププテル]〜[プルルプテル]
rtiaルツィア]〜[ルルツィア]
rヴィル]
miserére[ミゼレーレ]
pátreパートレ]

【発音法】

綴りとして rr と連続しているときはかならず,そしてフレーズの最初の r や アクセントがある音節の最初の br, cr, dr, gr, pr, tr を丁寧に ・・・言う場合は,舌先を2回以上ふるわせる巻き舌のラリルレロ。左ではその感じが出るように ルル と書いてみた。
 左の5つめの tertia のように単語内で次に別の子音があるときも,丁寧に言う場合は巻き舌になりやすい。
それ以外は舌先を1回はじくだけでよい。左の最後から2つめの miserere では,rere の部分は日本語でふつうに言うときの「あれれ?」の「れれ」と同じでよい。「フレーズ末の r」も巻き舌でなくてよい。
左の最後の patre では t をわざわざ[トゥ]のように言う必要はない。
巻き舌ができないという人は意識して速くルルルと言おうとしてもダメ。以下はひとつの練習法。まず口と喉の力を抜く(これが大事)。そして,口をダラっと開けたまま,息を思いっきり「フー」と吐く。何度も「フー」と強い息を出しながら,徐々に舌先を口の中ほどに上げていく(力は抜いて)。巻く音が少しでも出たら,こんどは最初にトやポの音をつけて,強く息を出しながら「トロロ・ポロロ」という感じで巻き舌に...なればいいのだが。
 巻き舌ができないイタリア人は,のどひこ・・・・をふるわせて代用している。
【語末の r のつなげ方】
次が母音なら,フレーズの切れ目でないかぎり切らずにつなぐ:
Páter omnípotensパーポテンス]
s 母音字に前後をはさまれた場合は [ z ]
[ザ・ゼ・ズィ・ゾ・ズ]
→【発音法】

次に有声子音が来る場合も [ z ]

それ以外は [ s ]
[サ・セ・スィ・ソ・ス]

Hosánna[オンナ]
miserére[ミゼレーレ]
visibílium[ヴィズィリウム]
susイェーズス]

《例外》eléison[エイソン(ヌ)
"Kyrie, eleison" の eleison はギリシア語からの借用で,例外的に [s]。
【発音法】
日本語のザ行の音は,丁寧に言おうとすればするほど舌先を上の前歯の裏側に当て,その舌先を息で破裂させるように離して出すきつい・・・音 [dz] になってしまう(文字 z の音はこれ)。それは避けて,摩擦の音だけのすこしやさしい・・・・感じの [z] にすること。たとえばこの動画(1分30秒あたりから)の実演が [z] と [dz] の違いを理解する参考になる。


《個人差など》

eleison 以外でも無声の [s] を使う人がいる。特に,resurrexit, resurget のように s の前が接頭辞 re- になっていて語構成上の切れ目がある単語の場合。

baptísma[バプティマ]
Israel[イラエル]

《個人差など》

この場合に②の規則をあてはめずに [s] で言う人,たとえば baptisma を[バプティマ]と言う人もいる。

sánctusンクトゥース]
ssusッスース]
éstスト]
sanctus の[トゥ]の母音や passus の最後から2つめの[ス]の母音は「無声化」が生じて消えてしまいやすい。 しっかりと言うために左では[トゥー] [スー]と書いている。[トゥー] [スー]と書いているが,音をのばすわけではない。 他の単語例ではいちいち書いていないが,語尾が -tus, -sus, -tis, -sis のものにはみな同じ注意が必要。
【語末の s のつなげ方】
次が母音か s なら,フレーズの切れ目でないかぎり ss とのばし,促音が入る感じでつなぐ:
grátias ágimus[グツィアジムス](最低でも[...ア ジムス])
incarnátus ést[インカルナートゥスト](最低でも[...トゥト])

tú sólus Sánctusトゥー ソーンクトゥス]

《個人差など》

・ss とのばさないでつなぐ人も結構いる(左の「最低でも...」のように)。
・また,Agnus Dei のように次が有声子音 (b, d, g, l, m, n, r) で始まる語の場合に s を [z] で言い,[アニュ デーイ]のようにする人もいる。
sc 母音字 e, i の前で
[ ʃ ] [シェ・シ]

それ以外は
[ sk ] [スカ・スコ・スク]

ascéndit[アシェンディト]
scipeスーシペ]

《個人差など》

[アシェンディト][スシペ]のように言う人もいる。

éscamスカム]
discússio[ディスッスィオ]
t [ t ]
[タ・テ・ティ・ト・トゥ]
voluntátis[ヴォルンターティス]
sánctusンクトゥス]
éstスト]
est のような語末の t をカナで[ト]と書いているが,そこでフレーズが終わる場合は子音 [t] だけを発音する。ただし,イタリア式の発音では(英語やドイツ語ほどは)あまり強くはっきりは言わない。
【語末の t のつなげ方】
・次が母音なら,フレーズの切れ目でないかぎり切らずにつなぐ:
et hómo[エモ]
et ab haédis[エベーディス]
te décet hýmnus[テ デーチェ ティムヌス]
sícut ératスィー テーラト]

・次が t か d なら,フレーズの切れ目でないかぎり促音のようにしてつなぐ:
et térræ[エッレ]
descéndit de caélis[デシェンディッ デチェーリス]
ただし est de spíritu sáncto のように前に s があるときは,つなげないか,t を言わない
et(そして)の後で切ることはふつうはない。

《個人差など》

・次が母音の場合,たとえば et homo で,促音を入れる感じで[エットーモ]のように言う人もいる。
・また,次が t の場合や d の場合,たとえば et terrae を[エト テッレ],descendit de を[デシェンディト デ]のように言い直すこともある。
母音字の前の ti
[ ʦ ] [ツィ]
grátia[グツィア]
Póntio Pilátoンツィオピラート]

《個人差など》

gratia は[グラツィア]のように言う人もいる。
th [ t ] Cathólicam[カリカム]
Sábaothバオト]
単なる t の字と同じ発音にする。 ギリシア語からの借用語なので原語に対応する th の綴りを残している。
v [ v ]
→【発音法】
vérumヴェールム]

vívosヴィーヴォス]

vúltusルトゥス]

【発音法】

8割か9割の日本人(日本語母語話者)はこの音が発音できず,かわりにバ行の b で言っている。自分ではちゃんと発音できているつもりでも実際にはできていないこともよくある。
よく「下唇を噛む」と説明されるが,それはまずい説明なので,この際忘れてほしい。
ポイントは,息が続くかぎりずっと出し続けられる「摩擦」の音だということ。
発音の要領は f と同じで,上の前歯の先端を下の唇のまんなかに当たるか当たらないかぐらいまで近づけ(軽く当ててもよいが,かならず隙間があくようにし,噛んでしまわないこと),そこに強く息を吹きこみながら声を出す。下唇がくすぐったいような感じがすればOK。上の前歯が外から見える状態がよい。
日本語の「ブ」は唇を閉じてから息でそれを破裂させるように言う瞬間音なので,ⓐについてもⓑについても違う。
参考動画1:特に男性のものがわかりやすいので,自分の口の形を鏡などで見ながら確認するとよい。
参考動画2
x [ ks ]
[クサ・クセ・クスィ・クソ・クセ]
crucifíxus[クルチフィクスス]
exáudi[エクウディ]

xクス]
xteramクステラム]
exspécto[エクスクト](エクススペクトではなく)

《個人差など》

exaudi は [エグウディ]と言う人がかなりいる。 他にも exaltavit, exultavit, examine など特定の単語で,母音にはさまれた x に [gz] の音を使う人がいる。
【語末の x のつなげ方】
次が母音なら,フレーズの切れ目でないかぎり切らずにつなぐ:
x aetérna[ルク セルナ]
ex útero[エクテロ]
x celéstisクス チェスティス]〜[レク チェスティス] →【注意】
前置詞の ex(〜から)の後で切ることはない。

【注意】 Rex celestis が[レク チェレティス]にもなるのは次項の xce の発音に準じる。
xce [ kʧe ] [クチェ]
→【注意】
excélsis[エクチェルシス]

【注意】

ほとんどすべての解説書で excelsis は[エクシェルシス]だと説明されているが,イタリアではそんなふうにはふつう言わない。
きちんと言えば[エクスチェルシス]だが,実際には多くが[エクチェルシス](「発音の注意点(1)」のページ参照)。
y [ i ] Kýrieリエ]
hýmnusムヌス]
lacrymósa[ラクリモーザ]
文字 i と同じ発音。Kyrie, hymnus はギリシア語からの借用語なので原語に対応する y の綴りを残している。lacrymosa(lachrimosa とも)もギリシア語由来だが,現在の公式聖歌集では lacrimosa と綴られる。
z [ dz ]
[ザ・ゼ・ズィ・ゾ・ズ]
→【発音法】
zaroザロ] 【発音法】
舌先を上の前歯の裏側に当て,その舌先を息で破裂させるように離して出すきつい・・・音。丁寧に言うときの日本語のザ行の音はそうなる。Lazaro なら[ラッザロ]に近い感じと考えてもよい。s の①の説明も参照のこと。
同じ
子音字の
連続
→【発音法】 flámmis[フミス]
Hosánna[オナ]
bbatoバト]
peccáta[ペータ]
écceチェ]
reddétur[レデートゥル]
llisリス]
altíssimus[アルティスィムス]
emíttet[エテト]
terraルルラ]
【発音法】
mm と nn の場合は日本語で言えば「ン」を入れるように,その他の場合は「ッ」を入れるように言う。
rr は舌先を2回以上ふるわせる。